今日の読了

経営に終わりはない (文春文庫)

経営に終わりはない (文春文庫)

だいたいにおいて成功したひと,それも経営者という肩書きのひとの話は面白くないものだが,この本は読んでいて何だか,成功者の話という感じがほとんどしない.本田宗一郎と組んでやってきたことの,ほとんど上澄みしか書いていないように読めるのだが,それでもこの本はどこか寂しげである.その寂寥感は,どこから来るのだろうか.

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)

ボン書店の幻―モダニズム出版社の光と影 (ちくま文庫)

池袋モンパルナス 大正デモクラシーの画家たち (集英社文庫)

池袋モンパルナス 大正デモクラシーの画家たち (集英社文庫)

カミさんに「創造都市絡まり?」と訊ねられたが,そういうことは読む前には特に考えていなかったな(^^;).その絡みで使うのは無理でしょう,この2冊は.
個人的な事情はさておき,勤務先に届く「みすず」の年頭読書アンケートが好きで毎年読んでいるのだけど,今年のそれで『ボン書店の幻』を取り上げている方がいて,第二次大戦前の出版事情に暗いものだから求めて読み始めたら止まらなくなった.で,そういえばボン書店の近所にあった池袋モンパルナスの本も以前に買ってあったものが積読だったぞ,と書棚をひっくりかえして探し出し,ボン書店に続けて読んでみたもの.大戦前に流星の如く一瞬閃いた,モダニズムデカダンスの夢のあとへの紙碑である.