今日の読了

中公新書2000点発刊記念増刷.初版は1963年.増刷なのに「42版」と奥付にあるのは相変わらず.よく目録法の講義で版表示を説明する際のネタにさせてもらう.
この本,初めて読んだが,初版が1963年で著者が名だたる反共主義者林健太郎(1913−2004)であるから,社会主義共産主義への不快感と低評価が全編ににじみ出ていて面白い.特に人物評にそれが顕著で,左翼系政治家は政策はおろか,人間性まで快刀乱麻に切り捨てられる.それでも,何ともなしに今でも読むに足る本だなと感じさせるところは,さすがに最近の凡百の保守反動とは一線を画す教養のなせるわざであろう.