今日の読了

平城京遷都―女帝・皇后と「ヤマトの時代」 (中公新書)

平城京遷都―女帝・皇后と「ヤマトの時代」 (中公新書)

タイトルに相違して(?),この本は「平城京遷都」に関わる諸々の事業を描き出した本では無い.「平城京遷都」がどのような政治の流れから導き出された「必然」であったのかを,遠く欽明天皇の代から説き起こし,飛鳥・藤原京から平城京への遷都と,それに至るまで,そしてそれ以後の政治の動きを,政治権力の移ろいと仏教公伝から国家仏教への道を裏主題にして解説した本である.それ故,本当は副題の一部である「ヤマトの時代」こそが,この本のタイトルに相応しかったのではないだろうか? それが,この紛らわしいタイトルを纏う羽目になったのは「平城遷都千三百年祭」の故ではないかと勝手に想像しているのだが如何?