今日の読了

大和三山の古代 (講談社現代新書)

大和三山の古代 (講談社現代新書)

タイトルで購入したので,てっきり「大和三山の観光案内記」だと思っていたら,帯で否定されてしまう(^^;).実は『万葉集』から大和三山の古代における象徴性を解き明かそうとした,野心的な書である.僕は古代文学には疎いので(何しろ柳田國男の『明治大正史世相篇』に出て来た「天智天皇のかりほの庵の歌」を探すのに『新編国歌大観』を引いて回答し,あとでそれを知ったカミさんに呆れられたほどだ),必ずしもいい読者とは言えないのだが,それにしても読者を「考える」ことに導こうとする本であった.僕には,おいそれと答えが出せない.

ベルサイユのばら』以来,何となくフランス革命についてはあちこちで断片的に知識を拾い上げてきたけど,通史を読むのは小学4年生のとき以来なんじゃないかしら(^^;)? 30数年前に比べて,いろいろな意味で「醒めた」通史を読まされたような気がする.個人的には『タレーラン評伝』(中公文庫)や『ジョゼフ・フーシェ』(岩波文庫)を懐かしく思い出すが,ふたりとも通史の上では脇役なのであった.