今日の読了
- 作者: 上田龍
- 出版社/メーカー: 新日本出版社
- 発売日: 2009/06
- メディア: 単行本
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一読してまた驚かされたのは,著者が20年以上も広瀬について取材していたこと,広瀬の親族や地元大津の関係者が生存していて著者の取材に応じていたこと,ほとんど知られていなかった広瀬の巨人軍前・巨人軍後が著者の取材によりかなりの部分明らかになったこと,広瀬の写真が僕の想像以上に残っていてこの本に掲載されていたこと,因縁のライバルが南海で活躍し肺結核のため早世した神田武夫(1922−1943)*1だったこと,広瀬の投球フォームがサイドスロー(「斉藤雅樹と小林繁を足してニで割ったような」)だったこと,などなど,挙げていけばキリが無い.要するに,僕は広瀬について何も知らなかったのだ.
哀しくも激しいこの本は,僕には永久保存の価値がある.惜しむらくは,その取材ノートが別の雑誌に掲載されてしまったことくらいだ.取材ノートが章を改めてでもこの本に載っていたら,本体2500円でも惜しくなかったのに.別途,取材ノートも入手しなければなるまい.
そういえば,創設時阪急のエースだった北井正雄(1913−1937)の本も出ている*2.名古屋軍のエースだった村松幸雄(1920−1944)の本もある*3.勝手なお願いで恐縮だが,誰か朝日軍のエースで541回3分の1という空前絶後の投球回数記録を残した林安夫(1922−1944)について調べ,書いてくれるひとはいないだろうか.